SPIRITED AWAY

自由意志なき世界の天命論

千と千尋の神隠し篇
箭内宏紀|実存科学研究所

宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』の千尋を、実存科学の三つの構造──Meta(変えられない前提条件)、シャドウ(抑圧された影)、天命(Metaの必然的収束点)──で読み解く。

何も持たない10歳の少女が、名前を奪われ、両親を豚にされ、異界の湯屋で働く。
その試練の中で──成長ではなく、最初からあったものが溢れ出す。

名前を奪われた少女が、名前を取り戻す話ではない。
何も持たないまま、立ち上がる話だ。


CHIHIRO — Latent Shadow

千尋のMeta ── 自由意志なき世界の天命論

  • Meta:10歳。人格が形成途上にある。「普通」「特別じゃない」──宮崎駿が意図的に設計した「選ばれし者ではない」主人公
  • シャドウ:潜在的シャドウ(Latent Shadow・シリーズ第8の類型)──抑圧されたものではなく、まだ実現されていない能力としてのシャドウ
  • 天命:「この中にはいません」──天命そのものではなく、天命がいつか立つことになる大地の構築
何も持っていなかった少女の中に、最初からあったものが溢れ出す──潜在的シャドウが活性化され、記憶を超えて体の奥に天命の大地が刻まれるまで。

「自分には何もない」と信じてきた人へ。

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箭内宏紀(やないひろき)
実存科学研究所 代表。「天命の言語化セッション™」を提供。「Metaがある限り自由意志は存在しない」(M ⇒ ¬F)を第一公理とする実存科学を提唱。著書に『Metaがある限り──自由意志・自分・他人は存在しない』『自由意志なき世界の歩き方』ほか。
公式サイトはこちら

※ 本シリーズで扱う作品:宮崎駿 原作・脚本・監督『千と千尋の神隠し』(スタジオジブリ、2001年)。作品の著作権は原著者・制作会社に帰属します。

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